みなさん、こんにちは。
囲碁のプロ棋士、王唯任です。
今回は9路盤の最終盤の打ち方と整地についてご紹介します。
終局への道
【図1】をご覧ください。
前回の模範対局の続きです。
黒は27と打って壁を作って陣地を囲みます。
白も28と打ってしっかり壁を作ります。
【図2】のように、黒27と打つのは相手の陣地に深く入りすぎです。
白28と切られてしまいます。
黒29と逃げてもこの黒はアタリで追いかけられて、最終的には取られてしまいます。
【図3】は先ほどの【図1】のように白28まで打った図です。
お互いしっかり陣地ができましたが、まだAの場所が空いています。
ここはどちらの陣地でしょうか。
このAの場所は「ダメ」というどちらの陣地でもないところでしたね(第8回参照)。
ダメは、次に打つ順番の人が埋めなくてはいけないので、【図4】のように黒29と打ってダメを詰めます。
これで黒・白が隙間なく陣地を囲った状態になりました。
この状態になると、囲碁のゲームは終わり(終局)です。
整地をして陣地を計算
どちらが勝ったか計算するために「整地(せいち)」をします。
整地では、少し石を動かして陣地を数えやすくします。
【図5】のように石を動かして数えやすくしました。
【図6】のように、黒の陣地(△)は26目(9×3-1)、白の陣地(□)も26目です。
ただし、先に打つ黒の方が少し有利なので、黒は「コミ」というハンデを負います。
入門段階での9路盤のコミは3目半(3.5目)に設定します。
白の陣地の26目に3目半を足すと29目半になります。
よってこの対局は、黒26目 対 白29目半で、白の3目半勝ちになります。
※コミが整数でないのは、引き分けをなくすための工夫です。
※入門段階を卒業した後は、9路盤のコミを6目半程度に設定するのが一般的です。
ダメは1目も得にならないので、最後の最後に打つようにしましょう。
それでは終局に関する練習問題を解いてみてください。
練習問題1
黒が1手、白が1手打って、この対局を終わらせてください。
ヒント:黒も白も最善の手(最も得する手)を探して打ちましょう。
練習問題1の答え
下図のように、黒は1と白△をアタリにし、白は2と守って終局です。
失敗
下図のように黒1と打つと、白2と守られます。
そのあと、黒3と逃げても白4と追いかけられると黒石は捕まってしまいそうです。
正解図よりも白地が増えるため、黒は損をしてしまいます。
練習問題2
黒が1手、白が1手、さらに黒が1手(合計3手)打って、この対局を終わらせてください。
練習問題2の答え
下図のように、黒は1と打ち、白は2と止め、最後に黒が3でダメを詰めて終局です。
失敗
下図のように黒1と打つと、白2とアタリにされます。
正解図よりも黒地が減り、白地が増えるため、黒は損をする打ち方です。
黒1の場所は、価値がゼロの「ダメ」です。
得できるところがまだある段階でダメを先に打つと、損をするので注意しましょう。
練習問題3
黒が1手、白が1手、さらに黒が1手(合計3手)打って、この対局を終わらせてください。
練習問題3の答え
下図のように、まず黒1とナナメを守ります。白は2と陣地の壁を作り、黒3とダメを詰めて終局です。
失敗
下図のように、白が2のところに打つのは危険です。
黒3と打たれて白2子が取られてしまいます。
ここまでご紹介した内容を実戦で繰り返すことで、上手に9路盤で打てるようになります。
次回からは、入門者にとっての最難関とされる 「石の生き死に」 のお話をしていきます。
生き死にが理解できるようになると囲碁に対する解像度が一気に上がります。
これからも一緒に上達していきましょう。
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