第1回詰碁王決定戦 ①概要とその舞台裏

1)第1回詰碁王決定戦概要


2025年も押し詰まった12月27日。囲碁界初の「詰碁王決定戦」が東京と大阪で開催され、詰碁王の名をかけてプロアマ110人が挑みました。

「詰将棋解答選手権」は2004年から開催され、藤井聡太七冠が小学6年生から5連覇するなど話題になっていますが、一方、囲碁界の「詰碁」の大会はこれまでありませんでした。


なぜ「詰碁」はなかったのか。そのワケと「詰碁王決定戦」の舞台裏などを3回にわたってお伝えします。

  1. 第1回詰碁王決定戦 概要
  2. 詰碁王決定戦の舞台裏を吉原由香里六段にきいてみた
  3. 出題者・河野臨九段の思い


詰碁王決定戦開催のきっかけ

詰碁王の話は、関西棋院の三島響初段が「囲碁でも詰碁の選手権をやりませんか。スポンサーをやってくださるかたがいます」と、吉原由香里六段に声をかけたところから始まりました。


詰碁の採点は難しい

お隣の将棋界では「詰め将棋選手権」が20年以上続いていますが、「詰碁」バージョンはこれまでありませんでした。

というのも、「詰将棋」と「詰碁」では性質が全く異なるからだと思います。

詰将棋は「攻方(先手)が毎手王手をかけ、最短手数で玉方(後手)の玉を詰めること」という基本的なルールがあります。

  1. 指すすべての手は「王手」でなければならない。
  2. 一番少ない手の数で詰ます
  3. 守る側は一手でも多く逃げられる手を指さなければならない
  4. 攻撃側は持ち駒を全部使わなければならない
  5. 守る側は将棋盤の上にあるコマと、攻撃側の持ち駒以外の全部の駒を使える

ところが、詰碁は手の制約はありません。結果も無条件なのかコウなのかも自分で考えなければなりません。

以前、将棋の先崎学九段が「詰碁は難しい。打つ手の目安(王手などの)がないから」と話していたことを思い出します。

これだけ詰め将棋は規則がありますが、それは裏返せば採点しやすいということにもつながります。

対して詰碁は、出題のみならず、採点の難しさを物語っているのです。


大会実施概要

大会概要は、トップクラスと小学生以下の部の2クラスに分かれて出題され、東京会場はトップクラス47名(プロ22名、アマ25名)、小学生以下19名、大阪会場はトップクラス31名(プロ18名、アマ13名)、小学生9名が参加。さらに国際大会に出場する芝野虎丸十段、佐田篤史七段、小山空也七段の3名も事前にトライしていますので、プロは合計43名参加しました。


<結果>

優勝 芝野虎丸十段 上野愛咲美女流名人(70点)

3位 蕭鈺洋新人王、田中佑樹三段(60点)

5位 福岡航太朗竜星、秋山次郎九段、広瀬優一七段、酒井佑規七段、桑原樹七段、田中康湧五段、フィトラ・R・S二段、重川明司二段(50点)


アマチュア優勝 鈴木唯斗院生

小学生以下 優勝 鈴木翔大、準優勝 石川智晧、3位 古橋晴登


次回は、主催者の吉原由香里六段へのインタビューをお伝えします。


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