囲碁について少し語る回

こんにちは。佐々木柊真です。現在24歳の会社員です。本業のサラリーマンに加え、囲碁YouTuber・囲碁インストラクター・囲碁本の著者をしております。過去はアマチュア囲碁大会に出場しており、学生本因坊戦全国4位などの実績があります。そんな私が今もこの形で囲碁を続ける理由をお話ししていきたいと思います。今日は珍しく囲碁が強くなるためのヒントは出て来ませんが、良ければ最後まで楽しく読んでください。


・勝負碁時代


小学校1年生のときにマンガ『ヒカルの碁』を読んで囲碁を始めました。三谷がカッコ良く見えたからです。読み終えた後の推しキャラは伊角さん。

当然ですが最初の15年間(7歳~22歳)私にとって囲碁は勝負でした。常に囲碁で勝つためにどうすれば良いかを考えており、囲碁は勝つことが全てでした。勝ちを目指す以外の囲碁を知らなかったと言い換えることもできます。今思えば、とてもプロになるような才能も可能な努力量もありませんでしたが、それでもできる限り勝つために当時の自分にできるくらいの勉強はし、県大会で優勝したり、たまに全国大会で入賞したりしていました。

しかし、不思議なことに囲碁で勝って満たされたと感じたことはありません。人生で一度、本当に一度だけ勝って泣いた大会があります。あの碁だけは勝って嬉しかったかもしれませんが、他にはないと言って良いと思います。ちなみにその大会も嬉しいだけではない色んな思いがあり、それだけでも一本コラムが書けそうですがそれはまたの機会に。とにかく、小4くらいからは負けないために必死でした。よく続けたなと思います。


・転換期


驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、私は高校卒業で囲碁を辞めるつもりでした。それほど話したことがあるエピソードではないので、知っている方は少ないかと思います。私は高校の全国大会で全く勝っていません。高校生の間には野狐9段に上がることすらできていませんでした。もうこんなもんかな自分は、と思っていなかったというとウソになります。

しかし、大学入学の年がコロナ直撃。家にいるしかなく、他にやることも思いつかず。「もう一回だけ囲碁を勉強してみよう」と思ったのです。そこからは毎日最低10局の野狐8段戦を打ち、1000問の詰碁を解きました。一目~初段くらいまでの詰碁を、本当に毎日1000問解いていました。(ちなみにさすがにやりすぎで、意味があったかは不明です。)この期間はメンタル的にも追い込んでおり、負けて机を殴ったり、負けて絶望しすぎて親が買ってきてくれた食事に手を付けなかったり。大会ではなく、普段のネット碁でそうなっていました。家を出た今となっては反省していますし後悔もしていますが、囲碁が強くなろうと思ったら自分にはそのくらいのことが必要でした。

さすがにここまでやれば、嫌でも強くはなります。1年もたたないうちに、一度も上がれていなかった野狐9段に上がることができました。棋力的に人生で一番強かったのがおそらくこの時期で、練習に他県へ行ってある程度プロの中でも強い若手棋士に勝ったりすることもありました。


しかし、これだけやって強くなっても、嬉しいや楽しいという感情は湧いてきませんでした。自分が勝っても誰かが喜ぶわけではないし、自分もそんなに嬉しくない。でも、ここまで時間をかけてきた囲碁というものを捨ててしまうのも惜しい。せめて、これまで時間をかけてきたものが誰かの役に立つことがあれば良いのではないか。

そこで始めたのがYouTube。当時19歳でした。一本目の動画はひどいものですが、意外とあれが良いと今も言ってくださる方がいます。いまでこそ台本もなくある程度合間を開けずに話すことができますが、当時は台本を棒読みして合間を編集で切っていました。当時見てくださっていた方には感謝しかありません。


・現在


あれから5年、いまではYouTube登録者数は1.5万人。10万回を越えて再生される動画も出てきました。加えて著書も発売し、一作目は何度も重版がかかっています。

今思うことは、やっと囲碁が好きになってきたということです。先ほども書いたように、自分が囲碁を打っていた時期は自分にしか影響がありませんでした。ただ、今は自分の打つ碁を多くの方が見てくれます。そして、級位者や有段者での勝ち方として参考にしてくれます。それによって価値を産み出し、ときにはお金を産み出すこともできています。『自分の碁を見てもらい、お金をもらう』

昔自分が憧れていたいわゆるプロ棋士という形の囲碁のプロではありませんが、今の自分の活動もプロ棋士ではない囲碁のプロ、なのではないかと考えたりすることもあります。囲碁が発展するためには、10級の囲碁のプロ、といった存在だって必要なのではないかと。(配信で人を集めるのかイベントをするのか、具体的に浮かんでいるわけではありませんが)

今後のことはわかりませんが、少なくとも数年は自分の得意な言語化という武器をつかって囲碁が強くなりたいアマチュアの皆さまに貢献していきたいと思っています。まとまりのない文章になりましたが、「こんな人だったんだ」と思う一つの材料になればと思います。引き続きよろしくお願いいたします。


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