2025年も押し迫った12月末に行われた「第1回詰碁王決定戦」(主催:詰碁王決定戦実行委員、協賛:伊藤園)を開催した、吉原由香里六段に舞台裏などについて、お話をうかがいました。
(詰碁王決定戦 3回配信の2回目)
参加者はプロアマ66名
吉原六段はまず、棋士LINEに「盛り上げたいので、ぜひ参加して」と棋士に協力をお願いしました。
そしてSNSなどで告知した結果、トップクラス(47名:プロ22名、アマ25名)と小学生以下クラス(19名)が集まり、また会場も東京と大阪にて行われました。
海外棋戦で当日参加できない芝野虎丸十段(当時)、佐田篤史七段、小山空也七段の3人は渡航前に審判のもと、当日と同じ形式で先にトライすることになりました。海外対局直前の忙しいときに「虎丸さんは快くOKしていただいて、ほんとうに感動しました」と吉原六段。
スペシャルな出題者
出題者として詰碁作家として著名な河野臨九段に依頼したところ、気持ちよく引き受けてくれたといいます。
そしてなんと、世界トップ棋士の申眞諝九段(韓国)と金志錫九段(韓国)のおふたりにもお願いして2問ずつ出題してもらえることとなりました。
問題の難易度
吉原「私は難しい詰碁は得意ではない(簡単なものをたくさん解くタイプ)のですが。試しに最初、私が解いてみたら0点だったのです。解答者の心が折れるのでは?と思って、『最初の4問は簡単にしてみませんか』と河野さんに依頼し、簡単にしてもらいました。それでも解いてみたら5点でしたが……。
私ではどうしようもないので、だれかに解いてもらいたいと思い、一力遼名人に相談したところ、快くOK、『家で2時間(本番と同じ時間)、やってみます』とトライしてくれました」
一力名人が満点ではないくらいの、いいレベル感ということがわかり、ありがたかったそうです。
当日はYoutubeで生中継
大会当日、東京会場(日本棋院本院)では映像カメラが入り、ライブ中継されました。題して「雑談Live 詰碁王決定戦」。
解説ブースには出題者の河野臨九段と林漢傑八段。そして、会場でカメラマンを務めたのが鶴山淳志八段でした。
学校のように並べられた机。最前列左の机には上野愛咲美女流名人・上野梨紗扇興杯姉妹、右の机には高尾紳路九段と福岡航太朗七段(当時)が並んで座っています。
上野姉妹は手合いのときと同じように、ヨーグルトドリンクなどそろえて臨戦態勢を整えていました。
ふだん碁盤に向かっている棋士が、問題用紙と鉛筆、消しゴムで試験に臨んでいます。
福岡七段は鉛筆を上唇と鼻の間に挟んだり、問題用紙を持って顔の前にかざしたり、動きが激しい。
林八段の実況中継に合わせるように鶴山八段のカメラワークも冴え渡ります。
福岡七段が考えている問題を映し出すと、その解答を河野九段が解説。福岡七段がその問題のからくりに気がつくと、顔がぱっと明るくなりました。その瞬間をカメラはしっかり捉えたことで、福岡七段は「リアクション王」との異名がネット上でつくほど話題になりました。
詰碁を棋士がただただ解いている姿を、しっかりエンターテインメントとして伝えたみなさん(それも棋士)のタレント性には驚かされました。
吉原由香里六段より
多くのみなさんの心よりの協力のおかげで、開催できました。感謝、感謝です。次回の開催も考えていまして、将来的にはアジア統一で行いたいなど夢があります。まずは韓国と一緒にやっていきたいと思います。
次回は、第1回詰碁王決定戦 ③出題者の河野臨九段の思い をお届けします。
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