誰も知らない地の作り方【佐々木柊真の棋譜並べ部屋#5】

こんにちは。佐々木柊真です。

YouTubeにて配信した碁の棋譜、およびワンポイント解説を配信しています。

棋譜を並べたい、さらっとポイントを知りたいという方はご活用ください。

今回の動画はこちらです。



黒:佐々木

白:野狐AI 初段

碁盤を読み込み中...
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地をつくるためには、当然ですがどこに地をつくりたいかをまず決めます。この碁では、右辺に黒を多く配置していますので右辺から中央にかけて立体的に地をつくりに行きたいところ。ここで、地は囲ってはいけません。地は押してその背中側に作るものです。ということで、碁盤の左方面にある白石を右から左へと押していきましょう。実戦の黒1は、もしかすると厳密に(AIでは)甘いかもしれませんがおすすめの一手。有段者くらいまでは実戦のように白が受けてくれることも多いでしょう。また、細かい着手よりもイメージを持ってもらうことの方がここでは大切。白石を左側へ押し付けながら、右側に黒がスペースを持ち、そこを囲うことなく地にしていくイメージです。出来上がり図を見ていただくと、非常に良い模様が黒に出現したことはわかりやすいでしょう。

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一例ですが、黒が地を囲ってしまった図がこちらです。たしかに右辺の黒地を単体で見ると大きそうかもしれません。ただし、左に存在する白の地模様を見るとどうでしょう。圧倒的に白の方が大きそうに見えてこないでしょうか。囲碁は『相手に比べて』大きな地をつくるというゲームです。大きな地をつくるゲームではありません。相手より大きい地をつくるゲームなのです。ここを、明確に言語として自分でわかっておくことは非常に重要です。そうしないと、自分の方が既に地が多く、何もせずに勝ち切れるのにも関わらずさらに相手の地を無理に荒らそうとしてしまったりするからです。人間の思考は意外とコントロールしづらいものなので、明確にこの囲碁というゲームは何をせねばならないのか、ということを意識しておきましょう。

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続いてのテーマ図はこの場面。白が△にツメてきたときに、黒は1、3、5と△の白石を左下方面に押しに行きました。ここで私は「押す」という表現を使っていますが、この表現自体は何でも大丈夫です。自分のしっくりくる表現を見つけてみてください。このように、相手の石に対してツケやカタツキなどでプレスをかけつつ、その逆側に自分のスペースを作っていく。「押す」イメージ、ぜひなんとなくでもいいので『体感』してみてください。

この1、3、5によって右辺から中央にかけて素晴らしい黒模様が誕生していることがわかるでしょう。

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では、こちらも失敗図を見ていきましょう。地を囲うことが負けに繋がってしまう、ということが味わえる図になっているでしょう。黒1からの一連の手順は、右辺の地を囲うということに関しては申し分ない手順です。右辺の黒地は素晴らしい大きさでしょう。しかし、ここでふと全体を見てみましょう。同じかそれ以上にすばらしい白地が左辺から中央にできています。序盤は左上で黒が成功し、優勢だったはずなのに気づけば白にとって五分以上に戻っています。黒としては1からの手順が失敗したと言わざるを得ません。

地を囲えば、相手の地も増える。そして、囲碁は相手と比較してどちらの地が多いかを競うゲーム。地を囲うことのまずさを実感いただけましたでしょうか。

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最後のポイントは白△と切ってきたこの場面。素直に打ってしまうと図の黒1に打ちそうです。しかしながらこれが白の罠。黒3とツグことができず、一撃で逆転負けとなってしまいます。ここまで完璧な打ち回しを見せていたにもかかわらず、この一手のミスで囲碁は負けることができてしまうのです。もしこのミスで負けてしまったら、三日は眠れないでしょう。相手の狙いは何か、自分の見落としている手はないか、必ず繰り返し確認をしましょう。


今回は以上です。


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