見えないアキ三角の基本 ― 基本定石から学ぶ

目次

出典:オンライン依田塾 ワンポイント講義(2024年5月26日)

講師:依田紀基九段

構成:依田太陽(アマ高段)


はじめに

オンライン依田塾のワンポイント講義から、「見えない空き三角」シリーズの基本となる考え方を取り上げます。依田紀基九段はこの時期、続けて「見えないアキ三角」をテーマに講義をしており、今回はその基本となる考え方を扱う回です。

「見えないアキ三角」とは、見た目上では発生していないが、利き筋を使ったときに実質的にできているアキ三角のこと。打ち手側が「実質的にそこにアキ三角ができている」と読み切ることで、自分の手の選択が変わってきます。



参考図1.一般的な基本定石

高目に対して小目に打つ、あるいは小目に対して高くかかった後に手を抜いた後、白7まで進行する定石をご存じの方は多いと思います。

ここで、黒はAのキズを守るのですが、ここの守り方が、本題に関わる肝となります。

どう守るべきでしょうか?

碁盤を読み込み中...

参考図2.見えない空き三角

ここのキズの守り方は、黒8手目で「ハネ」が正解です!

しかし、なぜAのツギではなくハネなのでしょうか?

黒12手目で開くところまで、定石を「覚えて」いらっしゃる方は多いかと思うのですが、その理由まで説明できる方はかなり限られてくるのではないでしょうか?


その理由は、「見えないアキ三角」を白に作らせることができるからです。

(8手目時点)この×の部分がそれにあたります。


白が×の部分に打つと、黒1石がアタリになるためAにつなぐことになります(9・10手目)。

これは、「約束された交換」であり、「白石が×に(ない状態においても)存在する」とみなします

これが、「利き筋」「利き」の概念です。


すると、ここに白石が来ることにより、10手目時点に表示される△3子がアキ三角となります。


つまり、

「8手目にハネた時点で白にアキ三角ができている

のです。


ここで問題です!

白が11手目で△を守らず、ひらいたとき(11手目分岐)、黒は白△に対してどのようにアプローチするべきでしょうか?

Aと切って取りに行くのが普通の手に見えますが・・・

碁盤を読み込み中...

参考図3.正解図(12手目)

正解は、二線の「アテ」です。

勘が鋭い方はお気づきかもしれませんが、ここでアテることにより、白がつないだ時にアキ三角が発生します(白13時点の△3子)。相手がつないだ時にアキ三角になるように誘導する」のがコツです。


黒が12手目で切ってしまう(分岐)と、「相手が打ったらアキ三角になる場所に自ら打ってしまっている」状態になります(白□2子に対し)。白はサガってその後18まで進行するわけですが、これは黒にとって「筋の良い打ち方」とは言えません。


もちろん似たような形で切るのが定石として正しい時もありますが、その時は(12手目時点の)白□2子が横に並んでいる状態ではないと思います。思い返してみてください。


碁盤を読み込み中...

まとめ

今回は、「筋がよくなる打ち方」の基本的な考え方について触れてきました。

見えないアキ三角が見えてくると、「相手の石をアキ三角の位置に誘導する」打ち方ができるようになり、石の効率が格段に上がります。

ポイントは「並んでいる2子」です。ぜひ実践でもこのような打ち方を試してみてください!


棋士の囲碁スクール 運営

公式サイト:https://www.kishinoigo.jp

オンライン依田塾:https://www.yodajuku.jp


0 件のコメント

コメントを投稿するにはログインしてください。

まだコメントはありません。